「愛している」を今日、何回言いましたか?
こういう質問をされたら、日本人のあなたはどう答えますか?
一生のうち、「愛している」を言ったのは、告白の時かプロポーズの時ぐらいで、ほとんど言ったことがなく、どうしてこういう質問をされるのがいぶかしく思う人が多いのではないでしょうか?
同じ質問を韓国人にしたらどうでしょうか?
韓国人は 家族や友人達に、挨拶のように1日に何度も言っているので、 反対の意味で、どうしてこういう質問がくるのか疑問に思う人が多いでしょう。
「月がきれいですね」が「愛している」?
英語の先生でもあった夏目漱石が、弟子が「I love you」を日本語で「愛している」と訳したところ、日本人は「愛している」とはほとんど言わないから、「月がきれいですね」ぐらいに訳しなさいと教えたという逸話があります。
そのくらい「愛している」言葉が慣れないものだったといえる逸話です。そんな聞いたこともない不慣れな言葉を、自分から言うのは思いもつかないでしょう。
鎌倉時代から江戸時代まで武士中心の世界では、武士としての忠義が美徳とされ、「愛」が語られてこなかったのも影響があるからもしれません。
もともと日本では、家族すらも“他人”。自分以外は全部“他人”です。―他人も家族(韓国)家族も他人(日本)―
”他人”に対しては、”気を使って”自分の喜怒哀楽を表にだすのは”遠慮”してしまいます。そんな”他人”に対して「愛しています」はなおさら言わないでしょう。
美しい国 ―この地に住んでいる私は幸福な人ではないか?
一方、韓国人は”他人にも家族“ですから、相手に何の”遠慮”もなく、喜怒哀楽をみせます。
愛情表現もそうです。他の人の前でも、誰かを愛していることを言葉にするのをにためらいがありません。つつみかくさず、子供のような素直な感情で あまりにストレートにいうので、聞いていて、こちらがこっぱずかしくなることが多々あります 。―他人も家族(韓国)/家族も他人(日本)―
こちらは「美しい国」という、韓国を賛美していて、人気のある歌謡曲です。
歌詞は、前半が四季の情緒の称賛。サビが”広い海があって、 青い空をもっている、この地に住んでいる私は幸福な人ではないか?”。最後に”美しい国”というフレーズでしめくくられます。
単純で意味がわかりやすく、四季のある国に住んでいる人なら、どの国の人でも共感できる歌詞です。
広い海があって、 青い空をもっている、この地に住んでいる私は幸福な人ではないか?美しい国
一般の大衆が口ずさむ歌謡曲として自分の国を称賛する曲がでてくるのも驚きですが、飾り気がまったくないストレートな表現にもっとびっくりしませんか?
愛国歌(韓国国歌)―私達の国/愛そう
こちらは韓国の国歌の愛国歌です。曲名がまさに”愛”国歌です。歌詞の一部を紹介します。
神様の加護がある 私達の国万歳
“私達の国”は、国民全員が自分の側、身内、つまり家族だという意識が根底にあります。
辛くても楽しくても国を愛そう
国歌に“愛する”という言葉が使われているのが意外ではありませんか?
「住めば」韓国ロゴ ―愛している♡韓国
さて、私は、「美しい国」と「愛国歌」に触発され、韓国に住んで前よりずっと好きになった韓国への「愛」を、ストレートに表現してみたくなり、次のようなコンセプトで「住めば韓国」のロゴを作りました。
ピンクのハートマーク:「美しい国」のこの地に住んでいる喜び
「愛国歌」の国を愛そう
ハートの中の韓の字と韓国の地形:韓国そのもの
龍がハートを抱いている姿:韓国では龍は神聖なもので「愛国歌」の神様の加護がある
全体:愛している♡韓国
★「住めば韓国」のロゴグッズはこちらで販売しています。
「愛している」をもっと言ってみませんか?
私の周りの韓国人達も、異国の日本人の私でさえ“家族”なので、私に喜怒哀楽と愛情をはっきり表現します。最初はとまどいましたが、影響されて、私も自分の感情をはっきりストレートに表現するようになってきました。「怒」「哀」は、幸いにも表現する機会がほとんどないですが、「喜」「楽」「愛」は日本人からみるとオーバーなほどに表現します。遠慮や気遣い、相手の本音は何だろうと考えるが必要がなく、いいたいことをそのままいえるのが、とても楽です。特に「愛している」を言えば、相手は必ず喜ぶので、言った私も嬉しさが倍増します。 「 愛している」をもっと言ってみませんか?
(2024年8月26日 韓大納言記)
コメント
面白い内容ですね!
韓国に留学していた女子学生が言っておりました。
日本では道で友達に会うと、友達は「あ、〇〇ちゃんだ」と気付いた表情をして、その後、「おはよう」とか言うのかな、手を振るのかなと思っていると、何を言うのがいいのか考えている風で、間が空いてしまって、こちらもどう反応すればいいのか分からなくなる。
韓国ではチング(友達)に会った瞬間、「サランヘヨ~(愛してるよ〜)‼️」と言って抱きついてくるので、反応を考えている間がない。
日本ではやはり「遠慮」があるのでしょうか。
日本の親が子供に教える第一の教えは「人に迷惑をかけるな」ですが、韓国の親が子供に教える第一の教えは「人を愛しなさい」なのでしょうか。
それともしょっちゅう「愛してる」と言っている親の生き様から子供も自然とそうなっていくのでしょうか。
コメントありがとうございます。とてもわかりやすい実例です。
韓国人が友達に「愛してる」というのは、親が”愛しなさい”と教えているのではなくて、親が子供にたくさんかけている言葉が「愛してる」だからです。
赤ちゃんが最初に話せようになる言葉は、親が一番声をかけていることば、「ママ」「おかあさん」だというのと同じ理屈です。たくさんきいているから、迷うことなく親しい人にむかって「愛している」という言葉がでてきます。
ちなみに、私も韓国で久しぶりに友達にあったら、韓国人かどうかにかかわらずだきつきます。
日本の親が子供に教える「人に迷惑をかけないように」の”人”は親も含まれていますよね?親とも”他人”の関係になっている証拠です。
”家族”だったら、つつみかくさずいいたいことを言えて、したいことをしてー遠慮や迷惑という壁はないはずなんですが…
これは、少しずつ記事に書いていきますので、楽しみにしていてください。